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  • 第250回とまりぎインタビュー:田中律羽さん【越境プロジェクトからトビタテ生の「共創」を】

    第250回とまりぎインタビュー:田中律羽さん【越境プロジェクトからトビタテ生の「共創」を】

    今回は大学14期でドイツに留学中の田中律羽さんです。
    越境プロジェクトを立ち上げ、8月にドイツで開催されたTobitate! Euro Summit 2022を主催された田中さん。
    プロジェクトの立ち上げやサミット開催に対する想い、そして越境プロジェクトの今後などについてお話を伺いました。
    【インタビュアー:後藤絢音(全体広報,高校5期)】

    今回のトビタテ生

    2022年9月11日 インタビュー 田中律羽さん 1

    名前:田中律羽
    トビタテの期/コース:大学14期/理系、複合・融合系人材コース
    留学先:デンマーク、ドイツ

    「『デザイン×技術』で、日本の強みである技術力に新たな市場的付加価値を与える」をテーマに、デンマークを経て現在ドイツへ留学中。
    越境プロジェクトを立ち上げ、プロジェクトマネージャーを務める。

    越境プロジェクトの立ち上げ、そしてサミット開催へ

    ー田中さんは現在ドイツに留学中とのことですが、ミュンヘンで「Tobitate! Euro Summit 2022」を主催されました。開催のきっかけは何ですか?

     開催に至った経緯は大きく2つの流れがあります。

     まず、Tobitate! Euro Summit 2022は越境プロジェクトという大きなプロジェクトのうちの1つです。
     越境プロジェクトは、デンマーク留学中にモロッコへ旅行するときに出会ったトビタテ生たちと立ち上げました。
    背景や専門が異なる学生や期の違うトビタテ生と1つのテーマについて話してみると、全然違う答えが返ってきたり全然違う見方をしていたりしているのが面白くて。
    「こうした場から共創が増えるよね」「自分の分野では不足していることが他の分野では強みということがあって、これまでは縦割りで見えなかったけど、横軸で物事を考えるとできなかったことができるようになるよね」というような話をしていたんです。
     じゃあそういうことを自分たちでやってみよう、トビタテ生とやるのが1番面白そうということで、越境的なことをするプロジェクトを始めました。
    プロジェクトとしては、Facebookとは違うトビタテらしいプロフィールとタグを新たに作ることでトビタテ生の検索をより簡単にして、越境的なことがさかんになるプラットフォームの構築を考えています。

     もう1つのきっかけは、コペンハーゲンでトビタテ生と話していたことにあります。
    トビタテ生は1人ひとり活躍しているけど、トビタテ生同士で話し合う機会は留学前の壮行会や事前研修が多く、留学中や帰国後はあまりないように感じるという話になったんです。
    トビタテ生は様々な分野で活躍しているので、それを共有・発表することで共創できるのではないかと考え、サミットの開催を決めました。

     越境プロジェクトとサミットは「越境」と「共創」というところでコンセプトがとても近かったので、サミットを越境プロジェクトに取り込み、プロジェクトの一環としてサミットを開催することになりました。

    2022年9月11日 インタビュー 田中律羽さん 2
    プロジェクトリーダーを務めてくれた2人。みんな片手間ながらスピード感が早くて助かったし、届けたい価値が身体に染み込むレベルで一緒だったのでいちいち説明しなくても通じたのがよかったです。

    ー海外でのオフラインイベントに向けてどのように準備したのでしょうか?

     そうですね、いろいろありすぎて何を話せばいいかという感じですけど(笑)

    まず、運営メンバーを集めるにあたって、プロジェクト/サミットそれぞれのリーダーたちと越境プロジェクト自体のコンセプトやいわゆるMission、Vision、Valueを決めました。
    それを掲げて共感してくださる方をメンバーにしたかったんです。
    実際に15人くらいの方から連絡をいただき、やりたいことや創りたいもののすり合わせをして、最終的には9人がアンバサダーとして走ってくれることになりました。
     そうして集まったメンバーそれぞれの得意不得意や創りたいもの、やりたいものをすり合わせた上で4つのチームに分けて活動していました。
     2か月しか準備期間がなかったので、週1回の定例ミーティングをしながらチーム、個人にタスクを分けて準備していき、各チームを走らせながら、広報として様々なトビタテのイベントに出ていました。

     こだわったのはデザインで、サミットの会場の中でどういう風に人を動かしたいか、どこに視線を当てたいかというところは、とても考えたかなと思います。あとは、グッズを作ったりパンフレットを作ったり、文化祭みたいな感じのことをしていました(笑)

    ー準備するうえで1番大変だったことは何ですか?

     忙しすぎて大変とか思う暇もなく終わっちゃった感じではあるんですけど…

     みんな忙しいしプロジェクトが本業ではないので、限られた人と時間をいかに有効に使うかが難しかったし、自分の立場的にも注力したところかなと思います。
    あとはみんなが自発的に動いてくれるほうが絶対にやりやすいので、どうしたらみんなのモチベーションを高くできるかを考えて適材配置したことですかね。

    Tobitate! Euro Summit 2022 @Munich

    ーイベント当日はどんな様子でしたか?

     そうですね、サミット前半の様子は一部Youtubeで公開しているのでそちらも見ていただくとなんとなく雰囲気がわかるかもしれません。

     当日、想定外のアクシデントがいくつもあって。
    例えば、ドイツは電車がよく遅れるんですけど、当日は結構しっかり電車が遅れていて参加者の半分くらいがサミットの開始に間に合わなかったんです(笑)
    あとは、グッズが税関に引っかかってしまって届かないとか、すごく天気が悪くて土砂降りとか(笑)
    まあそんなこんなで20分くらい遅れてサミットがスタートして、最初からわちゃわちゃという感じでした。

     イベント自体は「共創」がテーマだったので、前半部分では越境カンファレンスとして大学1期で建築家の八木祐里子さんをお呼びしてテーマプレゼンツをしていただきました。
    そして、縦、横、同じ分野の人たち、違う分野の人たちというようにそれぞれグループを組んでカンファレンスをしました。
     結構自分たちの予想通りの解答だったというか、導線であったり時間配分だったり、毎月のカンファレンスにつながるような最初のテストができたのかなと思います。

    2022年9月11日 インタビュー 田中律羽さん 3
    越境カンファレンス発表の様子。
    2022年9月11日 インタビュー 田中律羽さん 4
    今回の問い

     後半部分は4つの企画を同時展開していてフル稼働だったんですけど、対面で開催する難しさを感じました。
    オンラインだとこちらでマイクをミュートにしたりルームを分けたりできるんですけど、対面でやってみるとそういった1つひとつの動作に時間がかかったり参加者の動きが想定外だったり、対面らしい面白さであり大変なところでした。
     でも、どの企画も大体予想通りというか期待した通りに動いてくれたし、満足度も高かったので、そこに関してはすごくよかったかなと思います。

     あと、参加者も50~80人くらい集まったらすごいよねという話をしていたんですけど、実際に50人ちょっとくらい集まったので、参加者数も目標値に達することができました。
    海外でのイベントが初めてだったこと、対面開催が久しぶりだということ、海外での対面はもちろん初めてだということ、そして対象が1期から14期までの全期生、国もざっくりとヨーロッパだったことが重なり、わからないというか読めない部分がかなり多かったんです。
     でも、当日は1期から14期まで各期のトビタテ生が15か国くらいから、目標の人数が集まれたというところで、Euro Summitという名前に沿った内容になれたのかなと思います。
    イベント後も「次10月に○○に行こう」とか「~~に行くからヤドカリさせてください」とか、参加者同士で早速つながりができていたようなので、きっかけを与えるという意味ですごくよかったかなと。
     その日1日で何かプロジェクトが立ち上がるほどの大きな共創はなかなか難しいしそこまでは想定していないけれど、何かこれをきっかけにどこかからいろんなものが生まれてきてくれたらいいなという感じです。

    2022年9月11日 インタビュー 田中律羽さん 5

    ーイベントを主催してみていかがでしたか?

     先ほどイベントの様子と一緒にちょっとずつ感想も話しているのかもしれないけど(笑)

     大変だったけど楽しかったというのが率直な感想です。

     久しぶりに対面のイベントをやってこういうリーダー的な立場をやり、半分懐かしい気持ち半分新鮮な気持ちという感じでした。
    オンラインと違って対面だと熱狂もあるし大変さもあるし、会場がミュンヘンだったので事前に確認しに行ける距離じゃないのもより大変なところではあったんですけど、予測不可能な部分や不確実性を楽しむというようなカンファレンスのコンセプトに近いことを狙わずとも味わえたなと思います。
    運営裏話みたいなものはたくさんあるので、そこはいつか公開しようかなと思っているんですけど(笑)
    文化祭みたいな感じでみんなの夏の思い出になったのはよかったです。

     あと、まずはこのイベントを作るというやりたかったことが達成できたし、コロナ後とかトビタテ後、新しいトビタテ前とかいろんな過渡期である現在の節目のイベントになってよかったかなと感じています。
     もうちょっと個人的なところだと、今までプロジェクトのリーダーはあってもマネジメントをすることはなかったので、どのくらいの視座で見ていればいいのかなとか、誰がステークホルダー的な人物なのかとか、いろいろ新しい知見を得ることができました。
    イベントの集客も「この人に来てもらうためにはあの人を呼んだほうがいいな」みたいなことがあって、ヨーロッパ内のトビタテ人脈をいろいろ知れたのも面白かったです。

    今後のサミットもそうですし、外部で何かやるときにも今回得た知見を活かせるのではないかと思いました。

     また、運営チームを動かす上で、どうやったらみんなが自発的に動けるかや得意なことが生きるかというのは結構考えていて。
    チームを動かすという面でもわからないことだらけで、考えながら走るというか走ってから考えていたんです。
    実際にイベントが終わった後にアンバサダーのみんなに聞いてみたら、それが伝わっていたことが確認できたので、成り立っていてよかったなとほっとしました。

    2022年9月11日 インタビュー 田中律羽さん 6
    対面での開催は予想のななめうえを行くさまざまな課題がありましたがなんとかこうとかホッとしている

    ーコロナ禍で日本は対面イベントが制限されてきましたが、今回ヨーロッパでサミットを開催するにあたってコロナの影響はありましたか?

     ひと言でまとめると、制約自体は何もないです(笑)。

     国によって違いますが、マスクがいらなかったり陽性者の隔離が必要なかったり、ただの風邪の1つという感じになってます。日本みたいな厳しい規制はないのです。

     コロナよりも、交通の心配の方が大きかったですね。というのも、今年の夏は飛行機のストライキや電車の遅延が結構多くて。
    たまたまイベントの週にはなかったのでよかったですけど、毎週末のようにストライキがあるんです。
    1つ止まるとヨーロッパ中から集まることができなくなってしまうので、そこは神頼みしていましたね(笑)

    越境プロジェクトの今後

    ー越境プロジェクトに先がけてTobitate! Euro Summit 2022が開催されましたが、今後プロジェクトはどのように展開されるのでしょうか?

     そうですね、今動いていることが3つくらいあって。

     1つ目はプラットフォームを作ることです。
    構想自体はできているんですけど、それを実現するためのエンジニアを探しています。
    協力者求むって感じで(笑)

     2つ目は越境カンファレンスですね。
    サミットの前半でもやったんですけど、1つの事象に対して縦/横それぞれのグループで話してみようというもので、毎月第三土曜日の19時~21時(日本時間)で開催することが決まっています。
    初回は9月17日の予定です。(→イベントページはこちら
    そして、私たちのディスカッションや考えを外部に向けて発信する仕組みを考えています。

     3つ目は次のサミットに向けた準備です。
    次回は2023年3月4日に、東北・仙台で開催予定です。
    日程やコンセプト自体は既に決まっているので、詳細はまたお知らせしていきます。

     という感じで、今回のサミットをキックオフとして、越境プロジェクト自体は続いていくというかこれからいろいろやっていきます!
    FacebookやInstagramで適宜情報公開していきますのでぜひチェックしてください!

    越境プロジェクト全体説明

    越境カンファレンスってなに?

    Instagram

    編集後記

     今回は越境プロジェクトのプロジェクトマネージャーとしてTobitate! Euro Summit 2022を主催された田中さんにインタビューしました。「共創」をコンセプトとしてサミット開催に向けて準備を進めていく中で、運営メンバーのマネジメントにも注力されているのが印象的でした。
     Tobitate! Euro Summit 2022を最初の一歩としてこれから続いていく越境プロジェクトをきっかけに、トビタテ生同士の「共創」が増えていくのが楽しみです。

  • ~はじめての留学特集 vol.13 ~「活動の原点は留学で得た経験」吉永圭吾さん

    ~はじめての留学特集 vol.13 ~「活動の原点は留学で得た経験」吉永圭吾さん

    「海外初チャレンジ枠」で留学したトビタテ生を取り上げて,留学の動機や留学中の話,そして,留学が与えた影響に関して紹介する「はじめての留学特集」。
     第13回は岩手県地域人材コースで台湾に留学した吉永圭吾さん。名産品で岩手県の魅力を発信したいという思いで留学した吉永さん。台湾に留学したことをきっかけに台湾の魅力を伝えるために始めた活動の話も聞きました。
    【インタビュアー:青山実央(事務局インターン,大学12期)】

    今回のトビタテ生

    名前:吉永圭吾
    トビタテの期・コース:大学9期・岩手県地域人材コース
    留学先:台湾
    留学テーマ:「かもめの玉子」で岩手を発信!

    大学時代には,学生団体を立ち上げ,留学先である台湾の魅力を岩手県で広める活動を行う。大学2年生からトビタテ生の同窓会組織である「とまりぎ」の東北支部のメンバーとして活動をしており,現在も活動を続けている。

    「かもめの玉子」で岩手を発信!

    ― 留学に行こうと思ったきっかけはなんですか?

     大学1年生の時に,「武者修行プログラム」っていうプログラムでベトナムで2週間ビジネスインターンに行ったことがきっかけです。それまでは留学してみたいなと思ったことはありませんでした。でも,大学に入って「自分を変えたい」「新しい世界を知りたい」と思っていたときに,ネットでこのプログラムを見つけてすぐ応募しました。このプログラムで実際に海外に行って,日本じゃできない経験をたくさんしたので,もっと海外でいろんなことを経験してみたいと思って,また留学することを決意しました。

    ― トビタテを知ったきっかけと応募した経緯は何ですか?

     「武者修行プログラム」に参加した時に,知り合った友達にトビタテを教えてもらいました。そのあとに,大学の授業でトビタテの留学計画書を作る授業があったんです。その授業を担当していた先生は,たくさんの学生に海外留学を経験してほしいという思いを持った方で,応募するかどうかは関係なしに授業でトビタテの留学計画書を書くというものを取り入れていました。私は,その先生が持っているクラスの中で留学計画書を作り,そこでできた計画書で応募しました。

    ― 「かもめの玉子」を使って岩手県を世界に発信しようと思ったきっかけは何ですか?

     「武者修行プログラムでベトナム人の友達ができたことがきっかけです。その子は日本のことが好きで,東京とか大阪は知っていたんですか,岩手のことは知りませんでした。それで,「どうしたら海外の人に岩手県の魅力を伝えることができるのか」って考えるようになったんです。その時に,お菓子とかの特産品からその県のことを知ることがあるんじゃないかって思いました。それで,大学に入って初めて岩手に来た自分の頭に浮かんだ岩手県の特産品が「かもめの玉子」だったんです。なので,「かもめの玉子」で岩手県を発信しようと決めました。

    ― 台湾を選んだ理由は何ですか?

     親日家が多い国に行きたいなと思ったからです。今回の自分の留学計画は「かもめの玉子」を通じて世界に岩手を発信することが目的だったので,留学先が決まっていなかったんです。「かもめの玉子」を作っている,さいとう製菓にインターンに行きました。その時に,さいとう製菓の方に自分の留学計画を話して,協力してもらえることになったんです。それで,さいとう製菓の方と話し合って,親日家が多い台湾にしました。なので,最初から台湾に行こうとは決めていなかったんです。

     

    岩手県の発信に力を注いだ留学

    ― 留学中はどんな実戦活動をしていたんですか?

     台湾にある日本のアンテナショップの一角を借りて,「かもめの玉子」の試食イベントを開催しました。そこで,試食してもらった人にアンケートに協力してもらっていました。3日間開催して,200人の方にアンケートに答えてもらいました。
     台湾の方の反応もすごくよかったので,うれしかったです。台湾の文化的に甘いものが好きな人が多くて,95%以上の方が10段階評価で7以上の評価をつけてくれました。

    ― ほかにはどんなことを台湾で行っていたんですか?

     現地の語学学校で,中国語の勉強をしていました。2ヶ月間の滞在だったので,ペラペラになれたわけではないのですが,同世代の学生と交流が持てたことがとてもうれしかったです。
     語学学校でも岩手県のことを発信するセミナーを開催しました。「かもめの玉子」を食べてもらったり,盛岡冷麺の紹介や有名なスキー場の紹介をしたりしました。その時はまだ,中国語が話せなかったので,英語でプレゼンして,先生が中国語に訳すという形でした。「かもめの玉子」は期間限定でいろんな味が発売されていて,その時はリンゴ味の「かもめの玉子」を持っていきました。台湾はそれほどリンゴが採れる国ではないので,珍しいかなと思って。セミナーに参加してくれた学生からは「岩手県に行ってみたい!」という感想ももらえたので,うれしかったです。
     そのほかには,大きな日本の物産展を視察していました。本当は「かもめの玉子」のブースを出店したかったんです。でも,お金も結構かかるので,どんな企業が出店しているのか,どういう風にPRしているのかということを視察しました。実際に海外で販売したら,どんな感じになるのかということがイメージできました。

    ― 留学でしか経験できない印象的な出来事は何ですか?

     台湾の観光地を巡ったり,家庭料理を堪能したことです。アンテナショップの店員さんで日本語が流暢な台湾の方がいたんです。その方と仲良くなって,休日に観光地に連れて行ってもらっていました。現地の方と一緒に行動すると,観光客が行かないような穴場スポットに連れて行ってもらえるんです。ナイトマーケットに行った時も,現地の人がよく行くお店とかで食事をして,ニッチなナイトマーケットを堪能できました。お弁当を作ってくれたこともあって,台湾の家庭料理を食べることもできました。台湾の料理は思っていたよりも,薄味で日本食に近い印象を受けました。とても食べやすかったです。
     観光として滞在するのではなく,留学として滞在したことによって,現地の方とも深い関係を築けましたし,より現地の方の生活に近い環境で生活できました。

    次は岩手県で台湾のことを発信したい

    ― 帰国後に自分の中で変わったことはありますか?

     すごく活動的になりました。留学に行く前は留学に行くことが目的になっていたんです。留学に行きたいから行って,留学後にどんな自分になりたいのかっていうことをきちんと考えたことがなかったんです。でも,実際に留学から帰ってきたら,自分が経験したことを次に活かしていきたいって思うようになりました。そこから,いろんな活動に参加するようになったり,自分でも企画を立てて,1から作るようになったりしました。

    ― 帰国後の活動を教えてください。

     岩手県で台湾のことを発信するプロジェクトを立ち上げました。学生団体を作って,台湾のことを発信する冊子を大学の支援金を使って作りました。その冊子を作るにあたって,台湾のことを知らないといけないんですけど,団体のメンバーのほとんどは台湾に行ったことがなかったんです。なので,自分がプランを計画して,ツアーを組んで,みんなで台湾に行きました。その時に団体のメンバーが見たことや感じたことをそれぞれ写真や文字に起こしてもらって冊子にしました。冊子の中には岩手県に住んでいる台湾のアマチュア漫画家に協力してもらって,「岩手と台湾」っていうテーマで漫画を書いてもらいました。
     この冊子が出版社の方の目に留まって,一緒に協力して台湾のことを発信することになりました。
     自分が活動していたときは,花巻空港ができたころで,台湾と花巻を結ぶ定期便が運航していたんです。その定期便の利用者を促進させたいという県の思いと自分の団体の理念と一致していたんです。なので,岩手県職員の方も協力してくれることになりました。それで,第2弾の冊子として「岩手と台湾」を作りました。台湾と岩手の似ているところを紹介したり,メンバー一ひとりひとりの伝え方で書かれたページがあったり,プロの編集の方にも協力してもらったりしたので,かなりクオリティの高いものが出来上がりました。この冊子はイベントや花巻空港で配ってもらいました。

    ― 学生団体を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

     大学の起業家育成プログラムに参加したことがきっかけです。そのプログラムは自分でやりたいテーマをプロジェクトとして運営していくもので,自分はそのテーマを「岩手で台湾を発信する」ということにしたんです。そのプログラムの中で自分のテーマやプランを発表して,やりたい人集めて,手をあげてくれたメンバーと始めました。学校公認のサークルとかではなくて,独立した1つの団体運営ができたことはいい経験でした。

    ― トビタテで留学してよかったことは何ですか?

     人脈が広がったことです。大学2年生から同窓会組織「とまりぎ」の東北支部のメンバーとして活動していて,3年くらい経ちました。メンバーと話すのもすごく楽しいし,刺激にもなるし,勉強にもなっています。トビタテ生になって,とまりぎのコアメンバーとして活動していなかったら,出会わなかったので,トビタテで留学してよかったなと思います。

    ― 吉永さんの将来のVisionや今後の展望を教えてください。

     0から何かを作るっていうことが好きなので,起業をしてみたいなと思います。今はまだ,ざっくりとしていて,ビジネスプランがあるわけではないんです。でも,1つの目標としていることがあって,それは「自分が社長の会社で働いてみたい」思ってもらうことです。大学時代から,起業家や経営者になりたいと学生団体のメンバーに話していて,その時に,「圭吾が社長の会社で働いてみたい」って言ってもらえたんです。その場のノリでメンバーは言ったのかもしれないですけど,自分はそれがすごくうれしかったんです。本当にそんな会社を自分が作れたらいいなと思います。これまでの時間を一緒に過ごしてきた仲間と一緒に働ける場所を作るということが1つの夢です。

    ― 留学を夢見る学生へのメッセージをお願いします。

     トビタテのポスターで「留学をして後悔している人を見たことがない」っていうメッセージが書かれているものがあるんです。本当にその通りだなと思っています。自分の周りでも,留学して後悔している人見たことがないですし,そんな人がいないってことは誰が行っても,何か得られるものがあるのが留学なんじゃないかなと思います。何か得られたり,自分が成長できる可能性が1ミリでもあるのであれば,留学しない理由はないと思います。とにかくやってみるっていう気持ちで留学してほしいなと思います!

  • ~はじめての留学特集 vol.4~「留学で芽生えた『1歩外に出る』気持ち」藤谷雄紀さん

    ~はじめての留学特集 vol.4~「留学で芽生えた『1歩外に出る』気持ち」藤谷雄紀さん

    「海外初チャレンジ枠」で留学したトビタテ生を取り上げて,留学の動機や留学中の話,そして,留学が与えた影響に関して紹介する「はじめての留学特集」。
     第4回は理系,複合・融合系人材コース(未来テクノロジー人材枠)でドイツに留学した藤谷雄紀さん。留学後にも,国際学会で発表やとまりぎでの活動と精力的に活動している藤谷さんの行動力の原点は何なのか,そして,留学を通して起きた変化,将来の夢などを聞きました。

    今回のトビタテ生紹介

    名前:藤谷雄紀
    トビタテの期・コース:大学11期・理系,複合・融合系人材コース(未来テクノロジー人材枠)
    留学先:ドイツ・ハノーファー
    留学テーマ:IoTを支える無線通信の研究者を目指して〜ドイツの研究者との人的コネクションの確立〜

    2019年10月からトビタテ生の同窓会組織「とまりぎ」の東海支部で活動する。2020年度は東海支部の代表として活動。帰国後は国際学会などへの論文発表などを精力的に行い,初めての国際学会発表でベストプレゼン賞を受賞した経験をもつ。2021年4月からは大学院に進学し,研究を続ける予定。

    夢への通過点としての留学

    ― 留学しようと思ったきっかけは何ですか?

     大きな理由の1つは受験に失敗して高専の専攻科に進むことになったことです。ずっと同じ学校にいて同じことをやっていていいのかなと思ってたんです。そんな思いを持ちながら,学校のプログラムでドイツのハノーファー大学に行ったんです。その時に漠然とこういう環境で1回勉強してみたいと思ったんですよね。
     僕は将来,無線通信の分野で研究職に就きたいと思っていて,「無線通信の研究=藤谷」となれたらいいなとも思っています。そういう夢を叶えるには海外で研究したという経験は持っておきたいなと感じて留学を決意しました。
     それに, 研究室の指導教員の方も僕の思いを知っていて,「海外の研究者とコネクションができることは将来の役に立つ」と言って背中を押してくれたことも要因でした。

    ― トビタテで留学しようと思ったきっかけは何ですか?

     留学に行きたいけど,両親に負担をかけたくないなと思っていたときにトビタテを知ったっていうことが大きな理由です。その時に,決め手となったのは「海外初チャレンジ枠」があったことです。1年とか長期留学で支援してくれる奨学金はたくさんあったんですけど,短期の留学でも奨学金がもらえる可能性があること,そして,海外経験が少なくても,トビタテに受かる可能性があるということを知って,トビタテに応募しようと思いました。

    ― ドイツに留学しようと思ったきっかけは何ですか?

     自分の通っていた高専との協定校があったということが理由の1つです。実践活動先を自力で探すことって大変だなと思っていたこともあって,ぶっちゃけ弱気な選択だったんですけど,協定校だったハノーファー大学に留学を決めました。それに,ヨーロッパの中でドイツは工業や工学の分野ではトップクラスなんですよ。自分の研究分野である無線通信の分野でもドイツは進んでいます。とくにハノーファー大学はTU9にも選ばれていて,工業系に強い大学だったんです。
     研究面以外の決め手をいうと,日本との似ている点が多いことです。気候や産業構造,国土面積や人口とかが日本と似ていたところも面白いなと思いました。

    *TU9:ドイツを代表する9つの工科大学が結成している連合体のこと。ドイツの技術者の約50%がTU9の中のいずれかの大学の卒業生である。

    今まで知らなかったこと,できなかったことに出会えた留学

    ― ドイツではどんなことをしていたんですか?

     ハノーファー大学で2ヶ月間インターンという形で研究していました。留学期間が2ヶ月という短い期間だったので,ドイツのIoT研究者と人的コネクションを確立することを目的に活動していました。
     最初,高専で行っていた研究を発表したんですよ。学外かつ英語で研究発表をすることが初めてだったんです。だから,ドキドキでした(笑)それでその発表をもとに2ヶ月間実験することを決めてもらいました。

    ― 具体的にはどんな研究をしていたんですか?

     高専では,計算とかばかりであまり装置を使った実験をしていなかったんです。でも,現地の教授と話し合って,ドイツではFMCWレーダーの実験とかをしていました。アンテナなどの装置を使った実験をさせてもらえたのはいい経験でした。僕が行った実験は学生実験の資料として使われたようです。

    *FMCWレーダー:連続派レーダーの一種。送信波と反射波の周波数差から距離を求めるレーダーのこと。

    ― 留学中の印象的な出来事や思い出はありますか?

     「メンザチャレンジ」と題して,全く知らない大学生や留学生に話しかけて,交流の場を自ら設けたことです。

     基本的に2ヶ月間研究室にいるので,現地の大学生や留学生と交流の場を作るのに苦労したんです。そこで大学内にある「メンザ」と呼ばれる学生食堂に目をつけたんです。「ここならいろんな学生が集まっているし,交流できるかも!」と思って(笑)急に知らない学生の対面に座って「何してるの~?」って話しかけて,お昼の時間を過ごしていました。そうやって話しかけた現地の学生と連絡先交換したり,中国・インド・イラン・ベトナムからの留学生とも話したりすることができました。

     日本にいるときはそんな知らない人に話しかけまくるとかはしないんですよ。僕の性格から想像できないくらい積極的でしたね。「何かやらなきゃ!」っていい意味で追い詰められていたのかもしれません(笑)

    留学で芽生えた「1歩外に出る」気持ち

    ― 留学から帰ってきて何か変化はありましたか?

     留学の影響かどうかは分からないですけど,半年以上煮詰まっていた研究が進んだんですよね。
     それに留学中に英語で発表したという経験が自信になって,「もっといろんな人から意見をもらいたい!」と思うようになったんです。その心境の変化もあって,国際学会に論文を発表するようになりました。そして,初めて国際学会で発表したものがベストプレゼンテーション賞をもらえました。こういった経験がさらに自信に繋がって4月にも国際学会で発表します。この調子で「修士のうちに博士レベルの実力つけてやろう!」と思っています。

    ― 帰国後に始めたことはありますか?

     とまりぎコアとして活動を始めました。トビタテ生って学校では出会えないくらい幅広い分野で活躍していて,おもしろい人たちがいっぱいいるんです。そんなおもしろい人たちと留学が終わってしまったら関われなくなるのかと思ったら,もったいないなと感じたんです。それで,たくさんのトビタテ生と繋がりたいと思ってコア活動を始めました。
     2021年4月からはとまりぎ全体を束ねる立場となるので,トビタテコミュニティ・とまりぎコミュニティの魅力をもっと多くのトビタテ生に伝えていきたいです。「トビタテで留学してよかったことはなんですか?」って聞かれたときに,トビタテ生みんなが「トビタテコミュニティに入れたこと」と答えてくれたらうれしいですね。

    ― 留学は今の自分にどんな影響を与えましたか?

     留学前は自分でなんでもやろうとしたり,自分のできる範囲で頑張っていたりしたんですけど,留学してみたら,生きていく上で「人」って大事なんだなと思えるようになりました。留学の決意をするときに背中を押してくれた研究室の教授や,悩んでいるときに助けてくれるトビタテ生仲間とか。留学前はあんまり人との出会いを大切だとは思っていなかったんです。けど,自分の決断の裏には人との出会いがあるなと思ったときに大切だと感じることができました。そのことに留学は気づかせてくれました。
     あとはトビタテ的にいうと「comfort zoneを飛び出せ!」の感覚が分かるようになりました。1回1人で海外で研究したという経験から,日本だけとか閉じた空間で威張っていてもしょうがないなと思って,国際学会で発表してみようと思いました。それに,とまりぎの東海支部の代表とか,とまりぎの副代表に挑戦してみようとも思えるようになりました。
     自分の中で芽生えた「1歩外に出るか!」という気持ちが行動のすべてを後押ししています!

    ― 藤谷さんの今後の展望・visionを教えてください

     僕は自分の中に2つの軸があると思っています。1つ目は日本企業で研究職に就きたいということです。これは留学前から変わっていません。「日本企業の研究者として無線通信の分野で世界をとる!」は言い過ぎかもしれないですけど(笑)グローバルに活躍したいと思っています。
     2つ目は自分でプロジェクトや事業をしたいなということです。これは自営業をしている父の影響ですね。研究もしながら,自分で事業やプロジェクトを運用することって面白いなと思っています。

    ― 最後に留学を夢見る学生へのメッセージをお願いします。

     留学ってどれだけ準備しても準備不足になると思っています。なので,語学力とか不安要素が多少あったとしても,「とりあえず,飛び出せ!!」って言いたいです。僕は実際に留学に行ってみて思ったのは,「パッションとノリで何とかなる!」ということです。英語で研究発表もしたことなかったけど,できたし,英語で知らない人に話しかけてみたり。それも全部パッションとノリでできたことだと思います。「留学=すごいこと」「留学はすごい人しかできない」って思っている人が多いと思うんですけど,どんな動機でも行ってみるといいと思います。実際に行ってみたら,楽しいし,パッションで何とかなります!!

  • 第125回とまりぎインタビュー:越沢琴奈さん【自分の中にあった偏った見方を理解する】

    第125回とまりぎインタビュー:越沢琴奈さん【自分の中にあった偏った見方を理解する】

    みなさん、こんにちは!トビタテ高校生コース3期生の積千夏です。今日はシドニーに【自分の中にあった偏った見方を理解する】をテーマに留学していた越沢琴奈さんの記事です。

    トビタテ!留学JAPANでの留学

    越沢琴奈さん
    高校4期
    アカデミックショート

    人間観察

    積)シドニーに留学されていたんですね!留学の目的と現地での活動を教えてください!

    越沢)留学の目的は、「自分の中にあった偏った見方を理解する」でした。これは自分でも気がついていなかったのですが、私は偏った見方をしていました。中学生の時もオーストラリアに留学していて、その時に「あれ、自分が思っていたより違わないぞ」って気がついて、それ以来、違いを理解しなきゃ、とずっと思っていたので留学を決めました。それで、色々な国から来ている学生がいる語学学校を選びました。人間観察しようと思って(笑)メモ帳に気がついたことをたくさん書いていました。2週間の留学中に小さいサイズのノートは二冊くらいたまりました(笑)

    積)面白い!そのノートにはどんなことを書いていたんですか?

    越沢)もちろん留学中にあった、その日楽しかったこと、勉強したこと、できなかったこと、悔しかったことも書いていましたが、主に語学学校で気がついた人間観察の結果を書いていました。今日○○君は○○してた、みたいなことも書いていました。そのうち気がついたのは、人間違うとしたら一人ひとりが違くて、同じだとしたら、みんな同じだなという答えが出ました。それが結構面白かったです。

    積)面白い、どんな風に気がついたんですか!書いていくうちに気がついたんですか?

    越沢)そうですね。どこの国の人も、そこまで大きな違いはないというか…。私は昔からいじられキャラで男の子から、からかわれていたんですけど、留学先でも全く同じ現象が起こったので、どこの国も同じだなって思いました(笑)

    積)それは面白いですね(笑)それってなんでだろう…(笑)

    越沢)不思議ですよね(笑)でも、違うとしたら一人ひとり違うんですよ。もちろん考え方は違う。先生が語学学校で何かの話をした時に、全然聞かない子とか、熱心に聞いてメモを取っている子とか…。それは一人ひとり違くて、国とかは関係ないやって思いました。
    それは私の中で大きなパラダイムシフトでしたね。

    積)そうだったんですね!留学の目的がすごく面白いですね!初めて聞きました。

    越沢)結局、留学の目的は違いを理解しようと思っていたんですけど、それを達成するというよりかは、そこへの見方とかアプローチの仕方が変わりました。これはホームステイしたことにも関わっています。理解しようって一点集中になっちゃうよりも、一人ひとり違ってそれもOKだよっていう見方に変わりました。

    一人ひとり違う、それだけなんだな

    積)ホームステイだったんですね!

    越沢)運が良かったのか、良くなかったのか、私は元々教えてもらったホームステイ先とは違うステイ先だったんです。現地に行って「ホームステイ先が変わったこと知らないの?」って言われて(笑)知らないよ!ということが起こりました(笑)行ってみたらステイ先は中国の方の家庭で、中国語と英語が飛び交う家でした。食事とかお菓子とか、中国語も教えてもらって、中国の文化を学んできました(笑)それで、私の中国人への見方も変わりました。
    その中でも人間違うとすれば一人ひとり違うんだな、それだけなんだなって思いました。

    積)急にステイ先が違うって驚き!でも、そのステイ先で良かったのかもしれないですね!

    越沢)本当に良かったです。去年は日本に来てくれて一緒にディズニーランドに行きました!

    積)仲良し!!心に残っている出来事はありますか?

    越沢)中国語の中でも話す言葉の種類が全然違うことに驚きました。ホストマザーとホストファザーはどちらも中国出身だったんですけど、方言とかではなく話している言葉が全く違うということを知りました。共働きの家庭で、ホストファザーが料理や洗濯、掃除、家事全部をしていました。ホストファザーの方が早く帰ってくるからかもしれないけど、ホストマザーは5歳のホストシスターの面倒を見ることが仕事になっていました。面白いなと思って聞いたら、ホスタファザーの住んでいた上海では、男も女も関係なく、家にいれば全員手伝うことが当たり前だったんですって。その名残で今でも普通に家事をしているんだよって言っていました。休みの日にお弁当を作って持たせてくれる優しいホストファザーでした。そっか、それでもいいのかって思いました。

    積)優しい…!

    越沢)それが当たり前の家庭でした。でも、それもそうだよなって、男がやっても女がやっても変らないんだなって思いました。

    積)留学中の活動が今でも繋がっているなとか、活かされているなって思うことはありますか?

    越沢)私が留学から帰ってきて、親には「柔軟になった」って言われて、先生には「大きくなった」って言われました。身長伸びていないんですけど(笑)それは「それでOK、それもアリだよ」って思えるようになったことが大きいのかなって思いました。許容範囲が広がったことで、友達も広がって、何かあった時に今までの私だったら「こうじゃなきゃダメ」って一本張りの視点で見ることが多かったんですけど、それだけじゃないよなって。視点を変えたら、こういう見方もできる、ということができるようになりました。それが今も活かされているなって思います。

    積)本当に柔軟になったんですね。ストレートにその先生からも親からも言ってもらえるってすごく大きな変化だと思います。

    越沢)その先生から言われた時には驚きました。授業を取ったことのない先生だったので。

    高校生記者

    積)帰国されてからも積極的に活動されていて、高校生新聞の担当もされていましたよね?

    越沢)留学で視点が広がって、ニュースを読むのも面白くなりました。高校生新聞では、高校生記者を募集していて、記事を書いてみんなに自分の考えを知ってもらえるのかな、楽しそうだなって思ってチャレンジしました。記事を書かせてもらったり、取材に行かせていただいたので楽しかったです。

    視点を増やすという意味でも色々な方に取材したり、何かを調べて書いたりすることで、自分の知らなかった視点から物事を見ることができました。例えば、看護とAIを組み合わせることをされている教授の方にインタビューしたことがあって、その教授が工学と看護の勉強をされていたんです。看護って医療とか、患者を手当てすることだと思っていたんですけど、それだけではなくて、AIができることと人間ができることを協力して看護を作っていくことに感銘を受けました。視点を増やすという意味でも、高校生新聞はとても良かったです。

    友達をつくる、友達になること

    積)これからの目標はありますか?

    越沢)人と話して考え方が変わったり、新しい考え方をもらうことが多かったので、これからもずっと意識して取り組みたいなって思っていることが、友達をつくる、友達になることです。今まで会った人も、これから会う人も大事にしたいなって思っています。それを勝手に友達になるって呼んでいるんですけど。たくさんの人と友達になりたいです。友達になっていっぱい話してみると分かることがたくさんあります。新しく自分で考えることも広まって、世界がもう一つ増えるような気がしているので、友達を増やしたい、人を大事にしていきたいって思っています。

    ある人から、人脈も才能だって聞いたことがあります。例えば、何かのプロジェクトをやるときに、全部自分の力でやる必要はないんです。できる人が友達にいて、「やって」と頼めるなら、それはそれでその人の才能なんだそうです。本当に会う人会う人を大切にしていきたいなって思っています。

    積)それに、色々なトビタテのコミュニティにも参加されているますよね!

    越沢)私、トビタテがなかったら今の自分はいないなっていうのをつくづく感じています。トビタテで留学して考え方が変わったから色々なことに挑戦するようになったし、その挑戦したことで、友達も広がってトビタテで恩送りしたいっていうのがあります。だから、とまりぎコアにもいるし、EHS(Empowerment of high schoolers)の活動をしています。友達も増やしたいし、恩送りもしたいと思っています!

    編集後記

    今まで会った人も、これから会う人も大事にしたいとお話しされていた越沢さん。生活している中で忘れがちだけど、すごく大事なことだよなと、改めて気づかされました。インタビューありがとうございました!